無意識に左手で右手首を握り締めたゆめは、ふとそこに視線を落した。
見慣れた時計と一緒に手首に絡み付いているのは、先週金曜日に見知らぬ男からもらった
ブレスレット。
男はこれを作ったのだと言っていた。
朝日にかざしてみると、ブルーの光がきらきらと零れ落ちた。
”まるであの人と出会ったあの時に降ってた雨の色みたいだ”
ゆめはそう思った。
寒色系だというのにどこか温かい光にふっと心が軽くなって、知らず笑みが浮かぶ。
”それにしても不思議なチャーム…”
ゆめはそこにつけられた小さなシルバーチャームやトンボ玉を眺めた。
不思議なデザインだった。
3つの小さなトンボ玉と2つのシルバーチャームはそれぞれ独特の雰囲気があって、どれをとっても
惹き付けられる。
けれど、その中で特に魅かれたのが2つのシルバーチャーム。
一つは、乙女を抱きしめたドラゴン。ティファニー ペンダント
ごつごつしたうろこに優しい瞳を持つドラゴンは、大切そうに美しい少女を胸に抱いているように
みえた。
今にも泣き出しそうに曇っていた空が、ついに大粒の涙をこぼし始めた。
ぽたぽたと落ちてきたと思ったら、あっという間に激しく地面を叩きつけるような雨へと変わった。
先ほどまで灰色に乾いていたアスファルトは、黒くて丸い斑点から一面の黒に染まり、今では小さな流れが出来つつある。
ふわり、と雨の匂いが辺りを包む。
ずるい。
泣きたいのは私だったのに。
空虚な心から、ため息がこぼれる。
曇り空が泣くのを我慢してるようで、私の心は幾分慰められていたのに。
泣かれてしまっては私の立場がない。
空を睨みつけたくて空を見上げてみたけれど、とても目を開けてなんていられない。
顔にも叩きつけてくる雨に我慢できなくて、仕方なく目を閉じた。
人間、本当に辛い時は、泣きたくてもなけないらしい。
私はそんな性質に、生れ落ちてから17年目で初めて気付いた。
それが自分にとっていいことなのか悪いことなのか、これからの人生にとって大切なことなのか、今は考えたくない。
そんな事は無意味だと、知っている。
もっと別の、現実的にどうにかしなければならないことを考えなければ。
例えば、これからどうやって暮らしていこうか、とか。
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大切な自分の城すら失ってしまった私には、この世に安心して暮らせるスペースはない。
ついさっき私のためだけの場所さえ、薄汚いアイツに征服されてしまったのだから。
まるで、ヒツジの皮を被った狼のような男に…
このまま雨と一緒に溶けて流れてしまえばいいのに。
この世で不必要になった人間も生きていかなければならないなんて、そんなの不条理だ。
ゴミのように無駄になったとたんに処分されれば、切り離した人間も切り離された人間も、きっと
納まるべき形に納まっていくはずなのだ。ティファニー 通販